第497章 勝手に賢いと思わないで

直方の母は警察署で長く威張り散らすことはなかった。

警察が直方来美の口から直方健が地下カジノで賭博をしていることを聞いたと知ると、彼女は急いで長男を引っ張って恥ずかしそうに逃げ出した。

警察が探しに出た時には、母子はすでに姿を消していた。

おそらく直方健に警告しに行ったのだろう。

警察は少し可笑しく思った、直方健がどうして逃げられるだろうか?

警察は取調室に戻り、直方の母の行動を直方来美に伝えると、彼女の声を失った泣き声が聞こえてきた。

彼女もおそらく理解したのだろう、もう誰も彼女を助けてくれないということを。

林知恵と宮本深は目を合わせ、それでも中に入った。

ちょうど警察が取調室から出てきたところだった。

「林さんですね?直方来美があなたに会いたいと言っています。」