第502章 逆転の発想

宮本当主は林知恵の意図を聞いて、顔色がさらに暗くなった。

「林知恵、調子に乗るな……」

「当主、少々お待ちください。私の話を最後まで聞いてください。」

林知恵は少しも怯むことなく、直接遮った。

しかし彼女は数年前のように、宮本家の人々と真っ向から対立することはなかった。

彼女は三年間民宿ビジネスをやってきて、最初の一年は不公平なことに遭遇すると直ぐに反発し、そうしないと損をすると思っていた。

結果、年末に計算してみると、大赤字だった。

その後、周りで商売をしている隣人から少し学び、口先の技術もいくらか鍛えられた。

だから、今回彼女は草刈栞の盗作を直接暴くことはしなかった。

暴くどころか、彼女はこれが草刈栞の作品だと認めた。

そうしないと面白くない。

林知恵は言った：「実は私も草刈栞の作品は悪くないと思います。彼女の考え方に同意します。」

言葉が落ちると、テーブルの前の少なくとも半分の人が理解に苦しんだ。

特に雪村真理、白川若菜、そして草刈栞は、直接呆然としてしまった。

彼女たちが予想していた場面は、林知恵が草刈栞の盗作を非難し、彼女が持ってきた書類から草刈栞のものとほぼ同じ作品を見つけるというものだった。

彼女たちはその機会に乗じて、逆に林知恵が盗作したと断定できるはずだった。

しかし林知恵は草刈栞のデザインを認めてしまった。これでは芝居をどう続ければいいのか？

草刈栞は少し落ち着きを失って言った：「林知恵、あなたは一体何が言いたいの？」

林知恵は説明した：「神話には五龍があります。白龍、青龍、黒龍、赤龍、黄龍で、それぞれ金木水火土に対応しています。あなたは白金とホワイトダイヤモンドを主に使い、白龍を象徴しています。白龍は本来、純粋で善良なものを意味しますが、あなたは額にこんなに深いブルーサファイアを埋め込んでいます。」

「それがどうしたの？純粋で善良というのはチャリティーガラに正に相応しく、完璧じゃない。」草刈栞は勝手に言った。

「純粋さの中に一筋の暗色、知らない人はチャリティーガラに何か裏があるとでも暗示しているのかと思うでしょうね？」

「……」

草刈栞は言葉に詰まった。

瞬時に、当主の顔色は極めて悪くなった。

前から言っていたように、彼は骨の髄まで少し迷信深かった。