第503章 門前での清算

林知恵と宮本深は声を聞いて工作室の入り口まで歩いてきた。

来訪者を見ると、直方来美の兄だった。

彼の後ろには親戚一同が続いていた。

先頭にいたのは直方来美の母親だった。

直方の母は入り口の階段に直接座り込んだ。「草刈栞を出せ!」

林知恵は少し不思議に思い、隣の男性の方を振り返った。

彼は冷たい目で起きていることすべてを見ていたが、少しも驚いた様子はなかった。

「三男様、何か説明することはないのですか?」

「少し警告を与えただけだ」宮本深は平然と言った。

林知恵はじっくり考え、理解した。

「つまり、誰かが彼を使って直方来美を殺し、その人物は工作室にいるということですね」

「そうだ」

言い終わるや否や。

工作室の入り口でガラスが割れる音が響いた。

直方来美の兄は入り口にあった芸術品を持ち上げ、ガラスのドアを壊し、さらにショーケースまで叩き壊した。