チャリティーディナー。
宮本財団のボディーガードの監視のもと、ジュエリーが安全に保管されるのを見て。
林知恵と雪村真理はほっと一息ついた。
雪村真理は林知恵を見て微笑みながら言った。「完成品はとても美しいわ。今日はきっといい値段で落札されるわよ」
「うん」
林知恵と雪村真理は突然話すことがなくなったかのように、気まずく立っていた。
雪村真理は彼女が何を考えているのか理解していた。
「知恵、私はやはり同じことを言うわ。物事は本質を見なければならない。以前手に入らなかったものは、これからも手に入らないわ。だから人として一線を引いておきなさい。将来顔を合わせるときのためにも」
「雪村長、それはどういう意味ですか?」
林知恵は雪村真理の言葉に何か含みがあると感じた。
これは先日、白川若菜が雪村真理のオフィスから笑顔で出てきた様子を思い出させた。