第523章 失われたパズルのピース

リビングにて。

林知恵はカメラを置き、ネットで宮本深の写真を検索した。

どれも同じ表情で、まるで誰かに借金でもされているかのようだった。

冷たくて無愛想。

二人の唯一の大きな写真も高画質版はなかった。

彼女はすぐに立ち上がり、主寝室を除いて家中を探し回ったが、この家には宮本深の写真が一枚もないことに気づいた。

本当に不思議だ。

でもよく考えてみれば、彼はいつも冷淡な人だから、写真を撮るはずがない。

しばらく待っても、彼はまだ出てこなかった。

もしかしてお腹を壊したのだろうか?

林知恵は部屋に入り、バスルームのドアをノックした。「三男様、どうしたの?」

宮本深の声は少し低く、何かを抑えているようだった。

「お腹を壊した。先に映画を見ていてくれ。」

「うん。」

林知恵は深く考えなかった。

昼間から宮本深は具合が悪そうで、食べる量も少なかった。

夜は消化の良いものを食べさせよう。

林知恵は星奈がもうすぐ起きそうだと思い、急いでキッチンに行ってスペアリブを取り出して準備し始めた。

星奈が自分でトイレに行くために出てきたとき、彼女はちょうどスペアリブを鍋に入れて煮始めたところだった。

「ママ。」

「はいはい。」林知恵はミルクを振りながら出てきた。「手は洗った?」

星奈は手を上げて振った。「洗ったよ。」

彼女はソファに座り、ミルクを受け取って左右を見回した。

「あの人は?」

「あー...忙しいの。」

三男様の威厳あるイメージを損なわないように、お腹を壊したとは言わないでおこう。

30分以上経った後。

星奈は口をとがらせた。「トイレに落ちちゃったの?それとも流されちゃったの?」

林知恵が笑いそうになったとき、寝室の方から足音が聞こえてきた。

「心配してくれてありがとう。元気だよ。」

宮本深は髪を拭きながら出てきた。

林知恵は驚いた。

お金持ちはトイレに行くのにもシャワーを浴びるのか?

星奈は宮本深を見上げ、ミルクボトルを置くとすぐに命令し始めた。

「パズルで遊んで、もう少しで終わるところなの。」

「いいよ。」

宮本深は星奈を抱き上げて林知恵の前に来た。

「バスルームには入らないで。」

「ぷっ。」林知恵は笑い出した。「わかった、わかった。」

宮本深は何も言わず、星奈を連れてプレイエリアに向かった。