大学入試が終わり、柊木誠一と上杉琴乃の高校時代の恋愛は、遠距離恋愛に変わろうとしていた。
少年でも少女でも、若い頃は恋愛が人生の中で重要な位置を占めるものだ。
だから、柊木誠一との別れは別れでも、上杉琴乃にとっては、彼らの恋愛における試練だった。
おそらく気分が優れなかったせいで、その夜二人はお酒の勢いで喧嘩をした。かなり激しい喧嘩で、上杉琴乃は泣きながら走り去り、常盤燿子は急いで後を追った。
上杉琴乃と常盤燿子がKTVを出たばかりで、タクシーを拾う間もなく、柊木誠一が中から追いかけてきて、上杉琴乃を引き止めた。
二人はまるで青春ドラマのように、しばらくもつれ合った後、柊木誠一は常盤燿子がまだ傍に立っていることも気にせず、威勢よく頭を下げて上杉琴乃の唇を塞いだ。上杉琴乃も常盤燿子のことを忘れたかのように、柊木誠一の首に腕を回し、若い二人は通りでそのまま熱烈なキスを始めた。