第145章 生まれながらの冷兵器（5）

「有栖川隊長の手は柔らかそうに見えるし、白くて清潔で、テレビに出てくるスターみたいだけど、実は言っておくけど、私たちの部隊の中で、有栖川隊長が一番男らしいんだ！」

「初めての任務で、相手は銃器密輸の連中だった。俺たち一同は毎日射撃の訓練をしていたけど、実際に生きた人間を前にすると、誰一人として引き金を引く勇気がなかった。最後にどうなったと思う？有栖川隊長が撃ったんだ。まばたきひとつせずに、連続で五発撃って、全部頭に命中させた。今思い出しても、有栖川隊長は無敵だと思うよ！」

「有栖川隊長の言葉遣いはすごく厳しいけど、みんな彼のことを嫌っていない、むしろ好きなんだ。外見は冷たそうに見えるけど、実は骨の髄まで熱血なんだ。彼は生まれながらの軍人さ。あの時、災害救助で地震があった時、小さな男の子を救うために怪我をして、病院で三ヶ月も寝たきりだった。命からがら生き延びたんだ……」