第355章 ただ始まりを願い、終わりはない(5)

昨日?

つまり、このビデオは……今日彼女の小さなアシスタントによってこっそり録画されたの?ということは、トラブルメーカーは……今でも避妊薬を飲んでいるの?

でも昨夜、彼が子供を持とうと提案した時、彼女ははっきりと「いいわ!」と答えたはずなのに!

彼が実際に経験したことと今目にしていることの差があまりにも大きく、有栖川涼の頭は混乱していた。

彼はスマホの画面を見つめていたが、画面に映る人物は目がかすんでよく見えず、ただ彼女と高橋静香の声だけが聞こえてきた。

「そういえば、本当にあなたに感謝しなきゃね、高橋静香。あなたがあんな完璧な策略を思いついて、林怜を怒らせ、有栖川涼を呼び寄せたおかげで、今や芸能界全体が私、和泉沙羅のバックに有栖川涼がいることを知っているわ。これからは良い映画やCMのオファーが次々と来るでしょうね!」