第354章 ただ始まりを願い、終わりはない(4)

「うん。」高橋静香は返事をして、手に持っていた台本を置き、立ち上がって歩き出した。

約1分後、彼女はガラスのコップを持ってソファに戻り、そっとトラブルメーカーの前に置いた。

トラブルメーカーはしばらくスマホを操作し続けてから、体を起こし、スマホをソファの横に適当に投げると、高橋静香の隣にあるシャネルのバッグを指さして言った。「私のバッグを取って。」

高橋静香がバッグを渡すと、トラブルメーカーはジッパーを開け、中を少し探ってから白い薬瓶を取り出し、蓋を開けて薬を一錠出した。

「具合が悪いの?」高橋静香は台本を手に取る動作を一瞬止め、振り向いて尋ねた。

「ううん。」和泉沙羅は首を振り、薬を口に入れ、水を飲んで飲み込んだ。

「ううん?何でもないのに、どうして薬を飲むの?」高橋静香は言いながら、テーブルの上の薬瓶を手に取った。彼女はそれをじっと見てから、声を低くして尋ねた。「避妊薬?ずっと避妊薬を飲んでいるの?」