第441章 忘れられない深い愛情(1)

「じゃあ、私が電話で予約を取るよ」陸田透真はそう言いながら、携帯を取り出して番号を探し始めた。

電話がつながったところで、有栖川涼のオフィスにノックの音が聞こえた。

入ってきたのは有栖川涼の秘書で、いくつかの書類を抱えて涼の前に置き、柔らかい口調で仕事の話をした。

有栖川涼は終始無言で、秘書が話し終えた後、軽く頷いただけで了解の意を示した。

秘書はその場を離れず、抱えていた箱を有栖川涼に渡した。「これは先ほど受付に届いた宅配便です。有栖川社長宛てのものです」

「ああ」有栖川涼は無関心に返事をし、デスクの空いているスペースを指さして秘書にそこに置くよう指示した。そして再びパソコンに向かって素早くタイピングを続けた。

有栖川涼がメールの送信を完了させた時、秘書はすでにオフィスを出ており、陸田透真は電話で予約の名前と電話番号を伝えているところだった。