第463章 彼女の記録を調べる(3)

彼女が四度目にトイレから個室に戻ってきたとき、自分がリクエストした曲がもうすぐ順番だと思い、足早に歩いていた。

個室のドアを押し開けると、周囲の状況に気を配ることなく、カラオケ機の前に立っている上杉琴乃に向かって駆け寄った。「琴乃、私の番になった?」

そう言いながら、彼女は上杉琴乃の腕に手を回し、カラオケ機をちらりと見ると、自分がリクエストした曲はすでにスキップされていた。眉をひそめ、「もう一度リクエストするわ、次は私が歌うから」と言おうとした瞬間、上杉琴乃の丁寧な挨拶が耳に入ってきた。「涼さん、こんばんは」

涼さん?有栖川涼のこと?彼は湘楼で学校の幹部と食事をしているはずじゃなかった?

常盤燿子は背筋が数秒間凍りついた後、ようやく上杉琴乃の視線の先を見ると、いつの間にか来ていた有栖川涼の姿があった。