第465章 彼女の記録を調べる(5)

菅野千恵からの電話だった。

……

柊木誠一が去った次の瞬間、また誰かが常盤燿子と上杉琴乃が座っている方向に歩いてきた。

その時、常盤燿子と上杉琴乃は耳打ちをしていて、柊木誠一が上杉琴乃にプロポーズし、来年のバレンタインデーに結婚式を挙げる予定だという話をしていた。二人とも、誰かが隣に座ったことに気づいていなかった。

ほぼ9年に及ぶ恋愛関係が、ついに実を結ぼうとしている。常盤燿子は本当に上杉琴乃のことを心から嬉しく思っていた。

この世界では、若い頃に誰もが好きな人がいたけれど、大人になってから本当に好きな人と一緒になれた人は何人いるだろう?

常盤燿子は思った。上杉琴乃と柊木誠一は、彼女が出会った中で最も美しい愛なのだろう。

彼女は顔を横に向け、笑顔で上杉琴乃を見つめ、心からの祝福を込めて言った。「琴乃、来年の結婚式には、絶対に大きなプレゼントを用意するからね!」