051章 甘えん坊の食いしん坊（四）

この言葉が落ちると、星野夏子はすぐに動揺し、顔色が急に沈み、彼を睨みつけた後、少し恥ずかしそうに立ち上がって目の前の食器を片付け始めた。

「私が食器を片付けるわ…」

しかし、彼女は肩に傷があることを忘れていたようで、左手を上げて近くの皿を取ろうとした瞬間、肩から激痛が走り、彼女の手は思わず緩んで—

「ガチャン！」

陶器が割れる鋭い音が響き、美しい皿が寿命を終えた。

星野夏子は眉をひそめ、足元に散らばった陶片を見下ろし、恥ずかしそうにしゃがんで片付け始めた。指先が鋭い破片に触れた瞬間、痛みを感じ、反応する間もなく、真っ赤な血の滴が指先から落ちた。

「本当に不器用だな！」

低く叱る声が聞こえ、清々しい香りが鼻をつき、次の瞬間、大きな手がタオルで彼女の切れた指を包み、彼女の腰を抱え上げ、大股でソファへと向かった。

「これをしっかり握っていろ。医療キットを取ってくる」

藤崎輝は彼女をソファに座らせ、すぐにティーテーブルの隠し収納から医療キットを取り出し、開けて止血剤と防水絆創膏を取り出し、手際よく星野夏子の傷の処置をした。

星野夏子は息を飲み、黙って彼が傷をきれいに洗うのを見つめ、眉をほとんど寄せていた。

藤崎輝は突然顔を上げて彼女を見て、彼女の我慢している様子を見て、「この消毒液は効果があるが、少し痛むぞ。我慢しろ。お前はそんなに甘えた食いしん坊には見えないがな」

「じゃあ、あなたも試してみたら？私、痛いのは苦手なの。優しくして、そんなにたくさん塗らなくても…」星野夏子は少し不満そうに答え、指先の焼けるような痛みに耐えるのが辛そうだった。

藤崎輝は彼女に返事をせず、最速で薬の粉を振りかけ、絆創膏を貼り、そして黙って医療キットを片付けた。

「よし、これはもう気にしなくていい。先に上がって体を洗ってきなさい。傷口は水に触れないように注意して」

星野夏子は振り返って散らかった床を見て、仕方なく頷いた。いつも手伝おうとすると余計に混乱させてしまうようで、思わず額に手を当てた。「わかったわ、じゃあ先に上がるね」

そう言って、手元の袋を持ち上げ、階段へと向かった。