049章 甘えん坊の食いしん坊（二）

祖父の深田勇は星野夏子が西園に行ったことを当然知っていた。星野家の問題が起きるたびに、星野夏子はいつもと違う様子になる。おそらく昨日の出来事も、多かれ少なかれ彼の耳に入っているのだろう。

「大丈夫よ、元気にしてるわ。数日後にまた会いに行くわ。ごめんなさい、おじいちゃん」

しばらく沈黙した後、星野夏子はようやく小さな声でそう答えた。

電話の向こうから突然、深田勇の軽い咳と、少し物悲しいため息が聞こえてきた。しばらくして、その優しく深みのある声が耳に届いた。「もういい、おじいちゃんは責めるつもりはないよ。ただ、君がこうして電源を切って、連絡が取れないと心配になるんだ。お母さんは学術報告を終えたばかりで、昨晩やっと家に戻ってきたが、一日中君のことを心配していた。この数日のうちに時間があったら家に帰ってきなさい」