068章 藤崎さんに花を贈る

一日中買い物をして、たくさんの服や靴を買った。すべては須藤菜々のものだった。彼女を須藤邸に送り届けた時には、すでに夕方近くだった。

星野夏子はそれ以上長居せず、須藤菜々を降ろした後、直接車で以前住んでいたアパートに戻り、いくつかの荷物をまとめて楓の館に持ち帰った。

車が繁華街を通過する時、突然夜に藤崎輝と相談したいことを思い出した。考えに考えたが、自分から切り出すのは難しいだろうと思った。

藤崎輝は一見話しやすそうに見えるが、ある種のことに関しては、断固として譲らない人だった。彼に承諾してもらうのは容易ではないだろう。そう思うと、星野夏子は突然路肩に車を停め、これからどう切り出すべきか考えることにした。

少し悩ましげに眉をひそめ、シートに背を預けてじっくり考えようとした時、ふと外に目をやると、道端の花屋が目に入った……

少し考えた後、彼女の星のような瞳に輝きが走り、ついにドアを開けて車を降りた。

「いらっしゃいませ！お花をお求めですか？」

星野夏子が店に足を踏み入れるとすぐに、店主の女性が非常に熱心に迎えてくれた。

軽く頷き、星野夏子は澄んだ目で周囲の咲き誇る様々な花々を見回し、すぐに視線をある花かごの中の青いバラに止めた。

「これにします。とても綺麗ですね。大きな束にして、きれいに包んでください。」

星野夏子は白い指先で青いバラの大きなかごを指さし、隣の店主に言った。

店主は微笑みながら頷いた。「かしこまりました。少々お待ちください、すぐにご用意します！」

実際、星野夏子はこれらの花がどんな意味を持つのか全く知らなかった。ただ純粋に美しいと思っただけだった。深夜の海のように深遠な青色が、藤崎輝のような控えめで深みのある男性に似合うと思い、きっと彼はこの花を気に入るだろうと考えた。

最初に青いバラを見た時、彼女の目も少し輝いた。しかし、彼女はこれまで誰かから花をもらったことがなかった……

唯一もらった花といえば、あの夜、藤崎輝が彼女とドライブレースで勝ち取った戦利品、金色に輝く赤いバラと、あの可愛いバービー人形だけだった。

そのことを思い出し、彼女は突然微笑んだ。心に寂しさを感じると同時に、心の奥底には微かな温かさが広がっていた。その感覚は、まるで偶然の日差しが彼女の心の暗い隅に差し込んだようだった。