076章 すれ違い(一)

昼食を終えてしばらくすると、若い夫婦が居間のソファに座ってお茶を飲む間もなく、真と木村大輔がやってきた。

真はとても端正でハンサムな若者で、すでに長年藤崎輝のそばにいた。彼は輝のボディーガードで、時々運転手も務め、腕前はなかなかのものだった。幼い頃から藤崎家で育った孤児で、当初は藤崎悠が孤児院から連れ出し、藤崎川の名義で養育された。成長した後、藤崎悠が彼のために家を用意し、そこで暮らすようになった。

藤崎輝は普段から真を兄弟のように扱い、藤崎邸の人々も真を「真少爺」と呼んでいた。

「真少爺、奥様がこれらの品を先に車に積むようにとおっしゃっています」

執事は使用人たちに指示して、大量の贈り物を車に運ばせていた。それらはすべて深田勇たちのために特別に用意されたもので、星野夏子のためのプレゼントもあった。

真はトランクを開け、それらの品物を詰め込んだ。トランクはすっかり一杯になった。

「よし、ご主人と奥様はもう来られましたか?」

荷物を積み終えると、真は傍らの執事に尋ねた。その声が落ちるか落ちないかのうちに、前方から大野恵子たちの声が聞こえてきた——

「夏子、輝、時間があれば頻繁に家に帰ってきなさいね。若い二人が新婚で静かに過ごしたいのはわかるわ。一緒に住めとは言わないけど、時々帰ってきてほしいの。楓の館はここからそう遠くないから、仕事帰りに寄って夕食を食べてから帰ることもできるでしょう……」

老夫婦は名残惜しそうに話していた。このように引退してからは、しばしば寂しさを感じていた。藤崎川と松本朋香は普段仕事で忙しく、一日中姿を見せず、時には出張で彼らと過ごす時間もなかった。藤崎輝に至っては言うまでもなく、以前は常に海外におり、今は清川を引き継いだばかりで毎日忙しく、彼に時間があるとは期待できなかった。また、藤崎輝は家では普段あまり話さなかった……

今や彼らが唯一期待を寄せているのは星野夏子だった。老夫婦は今や星野夏子にそれほど疎遠ではなく、特に藤崎悠は星野夏子が優れた囲碁の腕前を持ち、茶道にも詳しいことを知っていた。彼女が頻繁に彼らを訪ねてくれれば、それは最高のことだった。