優れた外見と並外れた価値は、間違いなく橋本楓を多くの女性の心の中の憧れの存在にしていた。彼が現れるのを見た会場の多くの人々は、思わず息を呑み、星野心を羨ましく思わずにはいられなかった。
名門の出身で、今やスーパースターであり、そして今このような素晴らしい男性と生涯を共にすることになった。女性が欲しいと思うすべてのものを、この星野心は手に入れたのだ。本当に羨ましい限りだ!
「カシャカシャ」というシャッター音が響き、多くのメディアが眩しいほどの存在感を放つ橋本楓に向かって猛烈に写真を撮り始めた。橋本楓も笑顔で出席者たちに軽く頷き、貴族の子息らしい上品で優雅な姿を見せていた。
「橋本社長、やっと来られましたね。皆さん準備ができていて、時間もちょうどいいところです」
アシスタントの熊川が急いで迎えに来た。
橋本楓は前方を見上げ、自分の両親である橋本宇と黄前瑤子、そして岡田凛子と高橋文子が笑顔でゲストを熱心に接待している姿を見た。無意識のうちに視線を巡らせたが、星野山の姿が見えなかったため、少し眉をひそめて低い声で尋ねた。「星野おじさまはまだ戻っていないのですか?」
「先ほど星野夫人から電話があり、今道中で、もうすぐ到着するはずです。橋本社長、星野さんは二階におられます。先に上がりましょう!」
熊川は笑顔で言った。「先ほど未紗さんから聞いたのですが、星野さんは今日、驚くほど美しいそうです。橋本社長、あなたと一緒だと、まさに天が結び付けた最高のカップルです!考えただけでも興奮します!」
その言葉を聞いて、橋本楓の表情はようやく和らぎ、目に柔らかさが宿った。彼は頷いて、少し考えてから階段の方へ歩き始めた。突然何かを思い出したように熊川を見て、「夏子さんは見かけませんでしたか?」と尋ねた。
「橋本社長、夏子さんは彼女は……」
しかし、熊川が言い終わる前に、後ろの入り口から騒ぎが聞こえてきた。橋本楓は無意識に振り返り、誰かが叫ぶのが聞こえた——
「星野市長だ!」
「ん?星野市長の隣の若い女性は誰?」
「どこかで見たことがあるような…」
人々の視線の先を見ると、星野山がゆっくりと入ってくるところだった。そして、彼の隣を歩いている黒いコートを着て、腰まで伸びる長い髪の、細くて痩せた女性は……
なんと星野夏子だった!