第126章 男が救いに来る（その3）

橋本楓は小声で慰めるしかなかった。「もういいよ、心。君は良かれと思ってやったことが裏目に出ただけだ。星野夏子は昔から母親のことを他人に邪魔されるのを嫌がっていたんだ。あの日、君に注意したはずだよ。でも君は聞く耳を持たなかった。あまり考え込まないで、身だしなみを整えて、メイクし直したら？下の人たちはもう長い間待っているよ」

黄前珊瑚がドアに現れるのを見て、橋本楓はようやく星野心を自分の腕から引き離し、手に持っていた氷嚢を黄前珊瑚に渡した。「彼女の面倒を見てやってくれ。下の人たちが心配しているだろうから、僕は服を着替えてくる」

星野心に泣かれてシワシワになった自分の服を見下ろして、橋本楓はただ心の中でため息をつくしかなかった。

「わかったわ、いとこ。先に行って。いとこの奥さんのことは私に任せて」