第148章 新年会(三)

星野心の言葉が落ちると、その場にいた何人かの女性たちは思わず羨望の表情を浮かべた。

「心、あなたは本当に幸せね、橋本社長はあなたにとても優しいわ!」

「そうよ、美しくて目立つだけでなく、市長の娘さんで、しかも注目の的の大スターだし……心、私たち本当に羨ましいわ!」

「ありがとう、みんなも自分の幸せを見つけられるわよ」

周りの羨望の賛辞を聞きながら、星野心の艶やかな顔にも淡い笑みが浮かび、目には真摯さと祝福の気持ちが満ち、そっと星野夏子に一瞥を送った。

そのような心からの祝福に、皆は一斉に笑顔になり、感謝の言葉を述べた。

「演技くさい!」

須藤菜々は冷ややかに皮肉を言い、無意識に隣の阿部恒を睨みつけた。阿部恒は無実を示すように肩をすくめた。

須藤菜々は突然立ち上がり、テーブルの上のマイクを取った。この女の話をこれ以上聞きたくなかったのだ。音楽の伴奏を大きくし、自分勝手に鬼の泣き声のように叫び始めた。

目の利く人なら誰でも、須藤菜々が明らかに星野心を標的にしていることがわかった。皆は眉をひそめて須藤菜々を見ていた。また、星野夏子に断られた後の大野正幸の表情が少し落ち込んでいることにも気づいていた。

一方、星野心は苦笑いの表情で、見ていて哀れに思えた。高村梅子は見かねて星野心の肩を軽くたたき、慰めの意を示した。そして伴奏を少し小さくし、須藤菜々に何か言うと、須藤菜々はようやく不機嫌そうに手のマイクをテーブルに置き、テーブルの上の酒瓶を取って怒りながらがぶ飲みした。

阿部恒が止めに行こうとしたが、須藤菜々の鋭い視線に押し戻された。

星野夏子は仕方なく須藤菜々の行動を止めた。彼女がこんな短気な性格だと知っていたからだ。

「もういいよ、菜々、こんな関係ない人たちのために自分を怒らせないで、私は大丈夫だから」

「あの顔つきが我慢できないのよ。本当に飛びかかって皮をはぎたいくらい。あんな偽りの笑顔、みんな目が見えてないの?あの幸せを自慢するみっともない様子、楓楓って、明らかにあなたを刺激してるのよ。あなたこのバカ、気づかないの?あなたを狙ってるのよ!」

個室の雰囲気が少し不可解なものになった。星野夏子は小さく笑い、目の奥に幽かな光を浮かべた。