第166章 盛装出席(四)

阿部恒と一緒に立っていると、とても似合っているように見えた。

あっという間に、須藤菜々はすでに阿部恒の腕を掴む手を離し、星野夏子に向かって歩み寄ってきた。星野夏子がまだ黒い正装姿であるのを見て、すぐに眉をひそめ、「こんな時間なのに、まだそんな格好なの?」と言った。

星野夏子は思わず笑い、ようやく携帯を収めた。傍らの阿部恒は星野夏子に微笑みながら頷き、それから佐藤社長に挨拶するために歩いて行った。

「このままステージに上がるつもりじゃないでしょうね?今夜は花々が競い合うコンテストみたいなものだって誰もが知ってるわ。あなたがそんな格好だと、藤崎若旦那はどう思うかしら?派手な女性たちが藤崎若旦那に近づく機会を狙っているわよ。あとでダンスパーティーもあるって聞いたわ!」