第165章 盛装出席(三)

星野心は鏡の中で黄前珊瑚の愛らしく魅力的な小さな顔を見つめ、彼女の目に抑えきれない恍惚感を見逃さなかった。しばらく考え込むように彼女を見つめ、目の奥に一瞬かすかな光が走った。何か言おうとしたが、黄前珊瑚が突然こっそり笑い出したのを見て、結局何も言わなかった。

どれくらい時間が経ったか分からないが、メイクアップアーティストはようやく二人のメイクを終えた。

星野心はナチュラルメイクだったが、黄前珊瑚は鮮やかな赤いイブニングドレスに合わせて濃いめのメイクをしており、どちらも素敵に見えた。

「心、いとこに電話してね。私の会社の社長がもうすぐ来るから、先に行くわ。待たせるのも悪いし」

黄前珊瑚は片手でドレスの裾を軽く持ち上げ、鏡の中の自分を満足げに見ながら笑顔で言った。