第164章 盛装出席(二)

「明けましておめでとう、須藤さん」

藤崎輝は淡々と挨拶した。

須藤雨子は肩をすくめて笑いながら言った。「明けましておめでとう!どうして私のところに来る気になったの?この前、実家に帰った時に、うちのお爺さんがあなたの話をしていたわ」

「私のことを何て言ってたんだ?」

藤崎輝は低い声でそう答え、深遠な眼差しを向けると、すでに前方に並べられた華やかな女性用のイブニングドレスに目を向けていた。

須藤雨子はその様子を見て、思わず驚いて言った。「太陽が西から昇ったの?藤崎若旦那がこんな女性服を見に来るなんて?誰かにドレスやジュエリーをプレゼントするつもり?」

藤崎輝は彼女に構う気はなく、颯爽とした姿で先に進み、すぐに前方の豪華で精巧な宝石のような青色に銀の星が散りばめられたイブニングドレスに目を留めた。

彼は横を向いて、後に続いてきた須藤雨子に尋ねた。「これにしよう。靴と装飾品も合わせてくれ、急いでいる」

「さすが目の肥えた人ね、一目で私の店の看板商品を見つけるなんて。誰に買うの?」

須藤雨子はさらに驚いた。彼女も藤崎輝たちと一緒に育ったが、こんな光景は見たことがなかった——堂々たる藤崎若旦那が自ら女性のために服を選ぶなんて。

「須藤旭がすでに君たちに話したと思っていたよ」

藤崎輝はそう淡々と言うと、須藤雨子は突然何かを思い出したかのように、大きく目を見開いて藤崎輝を見つめ、驚いて言った。「まさか本当なの?あなたの女性?あなた本当に結婚したの?須藤旭が私に言った時、信じられなかったわ!」

「今なら信じられるだろう。急いでくれ、時間がない」

藤崎輝は急かすように言うと、横のソファに歩み寄り、ゆっくりと腰を下ろした。

須藤雨子はようやく肩をすくめると、店員に指示して服を取り下げ、包装するよう命じた……

しばらくすると、須藤雨子は最速で服に合う小物を揃え、藤崎輝に渡した。「はい、できたわ。今度その人を家に連れてきてよ。そんなに隠す必要ないでしょ。それと、ついでに須藤旭のことも説得してくれない?彼、まだ結婚しない主義を貫くつもりで、家の年寄りたちはみんな心配してるのよ」

藤崎輝はそれを受け取り、横にいた真に渡しながら答えた。「お爺さんの威厳があれば、彼は結婚しない主義を貫けないさ。じゃあな」

「本気で言ってるのよ、輝!」