第164章 盛装出席(二)

「明けましておめでとう、須藤さん」

藤崎輝は淡々と挨拶した。

須藤雨子は肩をすくめて笑いながら言った。「明けましておめでとう!どうして私のところに来る気になったの?この前、実家に帰った時に、うちのお爺さんがあなたの話をしていたわ」

「私のことを何て言ってたんだ?」

藤崎輝は低い声でそう答え、深遠な眼差しを向けると、すでに前方に並べられた華やかな女性用のイブニングドレスに目を向けていた。

須藤雨子はその様子を見て、思わず驚いて言った。「太陽が西から昇ったの?藤崎若旦那がこんな女性服を見に来るなんて?誰かにドレスやジュエリーをプレゼントするつもり?」

藤崎輝は彼女に構う気はなく、颯爽とした姿で先に進み、すぐに前方の豪華で精巧な宝石のような青色に銀の星が散りばめられたイブニングドレスに目を留めた。