第163章 盛装出席(一)

開幕式は帝光エンターテイメントシティの展示センターで開催された。展示センターは数万人を収容できるほど広大で、政府が数年前に投資し、2年前に完成して使用されているものだった。帝光エンターテイメントシティはそれを取り囲むように建設されていた。

ここでは毎年、大企業の開幕式や瑞穂市の新年会など、多くの盛大な宴会が開催されていた。

星野夏子が歩いていくと、展示センターの入り口には巨大な花のアーチが飾られ、赤い絨毯が入り口から50メートル先の階段から展示センターの中へと伸びていた。階段の両側には様々な花かごが並び、置ききれなかったものは後ろに山積みになっていた。祝福のメッセージが書かれた横断幕が上から下へと垂れ下がり、端は手すりに固定され、冷たい風の中でゆらゆらと揺れていた。

見渡すと、赤い色が二つの大きな塊となって広がっていた。

スタッフたちは忙しく行き来し、清川の責任者たちも従業員に指示を出すのに忙しく、誰もが休む暇もなかった。

「星野監督!」

星野夏子が入り口に向かうと、両側の受付で働いていた従業員が彼女に挨拶した。

星野夏子は軽く頷いた。「皆さん、お疲れ様です。今日が終われば、ゆっくり休めますよ。」

皆が休暇を犠牲にして何日も忙しく働いてきたことに、星野夏子は感謝の気持ちを抱いていた。

「星野監督、次の会議で藤崎取締役にボーナスを出すよう言ってくれたら嬉しいです。」

「そうですね、星野監督、藤崎取締役に給料アップをお願いしてください!」

……

給料アップやボーナスの話になると、皆は興奮を抑えられず、目には希望の光が満ちていた。星野夏子はそれを見て微笑むしかなく、快く答えた。「皆さんの言葉は藤崎取締役にそのまま伝えておきます。」

「監督、監督!」

星野夏子がそう言い終わり、中に入ろうとしたとき、突然アシスタントの梅田さんの声が聞こえてきた。顔を上げると、梅田さんが彼女に向かって駆け寄ってきていた。

「監督、これはプログラムの流れです。確認して問題なければサインをお願いします。広報部がお待ちで、朝からずっとあなたを探していました!」

梅田さんは息を切らしながら書類を星野夏子に渡した。星野夏子はそれを受け取り、ざっと目を通して問題がないことを確認すると、梅田さんから渡されたペンを取り、書類の右下に力強くも優雅な署名を素早く記した。