第153章 おはよう、藤崎奥さん(二)

向こうは何でも揃っているので、整理する必要があるのは商談用の契約書といくつかの資料だけだった。

星野夏子は階段を上がると真っ直ぐ書斎に入り、広い机の前で書類を整理しようとしたとき、机の上のノートパソコンがまだ開いたままでスタンバイ状態になっていることに気づいた。

そして彼女は鋭い目で、昨日見たのと同じように、それが自分のノートパソコンであることにも気づいた。

少し考えてから、ゆっくりと椅子を引き寄せ、のんびりと座り、マウスを操作してパソコンの画面を開くと、目に飛び込んできたのは、複雑なデータとグラフの山だった。よく見ると、それは彼女が担当している南浦プロジェクトの企画案だった。

下のデータ分析はすでに処理されており、彼女が一通り目を通してみると、最も複雑なデータ処理と分析の部分がすでに彼によってほぼ整理されていることに気づいた。残っているのは企画案を書くことだけだった。