152章 おはよう、藤崎奥さん(一)

翌日、夏子さんが目を覚ましたときには、すでに正午近くになっていた。

彼女は少し痛む肩をさすりながら、頭の中にはすぐに昨夜の一幕一幕の艶めかしい光景が浮かび、その優美で繊細な顔にはたちまち抑えきれない薄紅色が浮かんだ。

左肩の傷には不快感はなく、どうやら包帯が巻き直されていたようだ。体も清潔で不快感はなく、きっと……

そう考えると、彼女は思わず恥ずかしさを感じ、指先で眉間を押さえながらしばらく考え、起き上がろうとしたとき、隣から突然男性の低い声が聞こえてきた——

「おはよう、藤崎奥さん」

彼女はびっくりして急いで振り向くと、目に入ったのは藤崎輝のハンサムな顔だった。

彼もまだ起きていなかったの?

彼の意味ありげな笑みを浮かべた視線が下に移るのを見て、夏子さんも思わず自分を見下ろした。そして初めて気づいた——