第211章 月影株主総会(三)

月影カルチャーメディアの社内は、緊張した雰囲気に包まれていた。

昨日の記者会見の後、今朝はようやく煩わしい記者たちに囲まれることはなくなったが、今日は月影の年次株主総会が開催される日であったため、会社全体の雰囲気は和らぐことはなかった。

この時、月影の総支配人室内では。

高橋文子は秘書が整理した会議用の書類に目を通し、岡田凛子と星野心はソファに座ってコーヒーを飲んでいた。

「心、しばらくは休んで、表に出て目立つようなことはしないで。この噂話の余波はまだ収まっていないから、自分で気をつけなさい。星野夏子は今回、私たちに本気で怒っているわ」

岡田凛子はタブレットを手に持ち、ウェイボーでの様々なコメントの熱が冷めていないのを見て、隣の星野心を心配そうに見た。

星野心はようやく動きを止め、岡田凛子をちらりと見て、少し考えてから頷いた。「わかりました、気をつけます」