第234章 かっこいい藤崎さん（2）

彼女が差し出したものを見て、藤崎輝は一瞬足を止め、少し赤らんだ小さな顔を意外そうに見つめた。彼女が少し恥ずかしそうな様子を見せると、思わず笑みを浮かべ、深い瞳で彼女を見つめながら、すぐには受け取らず、意味深に言った——

「ラブレター？」

それを聞いて、星野夏子は目を回した。「私がそんな俗っぽい人に見える？」

彼は微笑み、長い指先でその封筒を取り、開けて中身を取り出した——

目に飛び込んできたのは、彼がソファに横たわって本を読んでいる絵だった。とてもリアルに描かれ、手のひらサイズの小さなカードになっていた。

彼をこんなにかっこよく描いたのか？

藤崎輝はそのカードをじっと長い間見つめ、初めて気づいた。自分がこんなにもハンサムだったとは！

「この静かな美男子はどこかで見たことがあるような気がする。かなりかっこいいけど、どこかで会ったことがあるような...」

彼の黒い瞳に淡い光が走り、そっと視線を上げて彼女を見つめた。口元には既に薄い笑みが浮かび、片手で彼女の肩を抱いた。

彼女は思わず拳を握り、彼の腰を一発殴った。「演技はやめて！私はめったに人の絵なんて描かないんだから」

「君が気軽に描くのは豚だけだって知ってるよ...」

夏子さんの言葉が落ちると、藤崎輝の整った顔に淡い微笑みが浮かび、彼は自分の本棚の書類フォルダに隠してある漫画を思い出した...

彼の言葉を聞いて、夏子さんはすぐに警戒心を高め、澄んだ瞳を細め、冷たく彼を見た。「また遠回しに私を侮辱してるんじゃないでしょうね？」

彼のような人と長く一緒にいると、彼女は自分の警戒心が一段階上がったように感じた。そうでなければ、いつも損をしてしまう。

彼は興味深そうに目を瞬かせ、笑って何も言わなかった。

「ひどい！あなた当てつけで言ったでしょ！」

彼女は彼の口元の微笑みを見て、思わず飛びかかった。「返して！」

彼はすぐに手を高く上げた。「僕がそんな人に見える？単純に事実を言っただけだよ。でも、奥さん、僕をこんなにかっこよく描いてくれてありがとう」

そう言いながら、片手で優しく彼女を抱き寄せ、考えた後、突然低い声で尋ねた。「君は彼とどっちがいいと思う？彼と僕と」