第319章 入札会議(一)

「何を見てるの?この格好がいいと思った?」

星野夏子は手に持っていた書類カバンを隣の椅子に置くと、彼の前で手を振った。彼はようやく微笑みながら手に持っていたナプキンを彼女に渡した。

「とてもいいよ、元気そうに見える」

そう言いながら彼は座った。

星野夏子はナプキンを広げ、朝食を楽しみ始めた。

夫婦二人が朝食を終えると、木村大輔が時間通りに現れ、後ろには二人の黒服のボディガードが続いていた。

「若様、奥様、おはようございます!」

彼らは敬意を込めて挨拶した。

藤崎輝はうなずき、再び書類を確認している星野夏子の方を向いて言った。「直接行こう、会社に戻る必要はない」

「かしこまりました、藤崎取締役!」

木村大輔は応えた。

「行こう」

そう言い残すと、星野夏子の手から書類カバンを取って木村大輔に渡し、外へ歩き出した。

車は目的地に向かって一路疾走した。事前に多くの分析作業と準備をしていたにもかかわらず、星野夏子は今、抑えきれない緊張を感じていた。

結局のところ、彼女がこれほど大規模なプロジェクトを担当するのは初めてだった。投資額の大きさは、彼女が見積もった入札総額を計算したとき、自分でも驚くほどだった。

政府が発表した新政策の重点建設プロジェクトの筆頭として、投資規模の大きさは言うまでもない。しかし、瑞穂市でこのような大プロジェクトを引き受けられるのは、実力のある大企業や大手グループでなければならない。彼女は新たに発表された政策を見ていたが、建設プロジェクトは数十あり、総投資額は7〜8千億に達し、そのうち南浦のプロジェクトだけでほぼ半分を占めていた。

彼女が担当する南浦プロジェクトは、建設プロジェクト全体の一部で、南浦一号工事と呼ばれている。プロジェクト全体のテーマは「南へ向かって新たな都市を作る!」だった。

関わる分野は当然多岐にわたり、予備計画が承認された後も、これからやるべきことはまだ多く、加盟する商業パートナーを招待する必要があり、事は複雑だった。これが星野夏子が結婚式を延期したかった理由でもあった。

しかし、彼が望まないなら、前倒しにしても彼女は特に意見はなかった。結局、彼が幸せならそれでよかった。

目的地に到着したのは9時10分過ぎで、ほぼぎりぎりの到着だった。