第337章 陥れ?自分で顔を打つ!(二)

星野陽の痩せこけた手は少し震えながら星野山が注いでくれたお茶を受け取り、一口飲んでから、自分の横にある将棋を指さし、藤崎輝を見つめて言った。「一局どうだ?」

藤崎輝は手に持っていた茶碗を置き、静かに頷いた。

星野夏子は星野陽の老いた目に浮かぶ笑みを見ながらも、その中に漂う孤独と寂しさを感じ取った。彼女は息を吸い込むと、二人のために将棋の駒を並べた。星野山も星野陽の隣に座り、二人の対局を見守った。

星野夏子は将棋にあまり詳しくなかったので、当然藤崎輝にアドバイスできるようなことはなかった。しかし向かい側の星野山は明らかに将棋の研究をしていたようで、星野陽の軍師役を務めていた。

一局が終わると、藤崎輝の実力は確かなもので、向かい側の星野陽と星野山を相手に引き分けに持ち込んだ。