第437章 交渉（三）

橋本楓の冷たい声が耳に届き、星野心はその言葉に耳が痛くなるような感覚を覚えた。赤く腫れた目で橋本楓を睨みつけながら、「あなたはまだ彼女、星野夏子をかばっているのね？橋本楓、あなた変わったわ！忘れないで、あなた自身も以前は彼女をどれほど嫌っていたか。今になって当時の選択を後悔しているの？」

問いただす口調には、心の痛みを隠せない鋭さがあった。星野心は唇を噛み、目には隠しきれない悲しみが浮かび、両手を強く握りしめていた。

当時の選択を後悔している？

その言葉は、まるで巨大な石が橋本楓の抑圧された静かな心の湖に激しく投げ込まれたかのようだった。瞬時に、胸の中で激しい波が立ち上がり、彼は目を閉じて、溢れ出そうとする感情を必死に抑えようとした。

彼は答えなかったが、その様子はすべて星野心の目に映っていた。

「忘れないで、一緒に去ろうと言ったのはあなたよ。星野夏子を拒絶したのもあなた自身。今になって私との関係を後悔しているなんて言わないで。あなたは本当にこんなことで、私たちの間の美しい過去を消し去ることができるの？」

その言葉が落ちると、橋本楓も胸に痛みを感じた。今日のこの状況を作り出したのは、実は彼自身にも大きな責任があることは否定できなかった——

もし当初すべてが予定通りに進んでいたら、これらすべては起こらなかったのだろうか？

長い間考えた後、橋本楓はついに口を開いた。「過去については、もう何も言いたくない。月影が今日この状況に至ったのは、おそらくあなた自身もよく分かっているはずだ。もし私に月影を救ってほしいなら、それも承知しよう。」

「楓！本当？本当に月影を守るのを手伝ってくれるの？」

橋本楓の言葉が落ちると、星野心の赤い目は一瞬で輝き、思わず体を緊張させ、橋本楓をじっと見つめた。その目には隠しきれない喜びがあった。

「ただ一つ条件がある。もしあなたが同意するなら、私は月影の買収資金を出し、それを立て直してあなたに返すことを約束する。」

「どんな条件？」

橋本楓のこの言葉を聞いた時、星野心は心が沈み、橋本楓が次に言おうとしていることをすでに知っているかのようだった。彼女は無意識に体を緊張させた。

「以前、大野秘書に離婚協議書にサインをもらいに行かせたが、あなたはサインしなかった。私から直接話をはっきりさせてほしいと思ったんだろう。」