第453章 結婚式(一)

賑やかさは夜遅くまで続き、星野夏子も後半には少し酔っ払って、ふらふらしていた。どうやって部屋に戻ったのかも覚えていないが、ぼんやりと藤崎輝が彼女の顔を拭いて服を着替えさせてくれたような記憶があるだけで、それ以降の記憶はなかった。

翌朝目が覚めると、頭の中はぼんやりとしていて、隣には藤崎輝の姿はなかった。しかし、ベッドの脇には白いカジュアルウェアが用意されていた。彼女は身支度を整えると、そのまま部屋のドアを開けた。

涼しい風が一気に流れ込んできて、空気には青草と花の香りが漂っていた。とても爽やかな香りだった。楽しそうな笑い声が聞こえてきたので、彼女は無意識にバルコニーの方へ歩いていった。カーテンを開けると、目の前の芝生の上で誰かがテニスをしているのが見えた。

若いカップルが二組、今まさに白熱した試合をしていて、周りの数人がそれを楽しそうに見ていた。

星野夏子はゆっくりと手すりの下まで歩み寄り、涼しい手すりに寄りかかって、のんびりと観戦していた。

少し離れた草原からは、時々澄んだ馬の蹄の音が聞こえてきた。顔を上げてみると、誰かが馬に乗って颯爽と駆けていた……

……

かつて、彼女も彼らのようにテニスをしたり、草原を馬で駆け抜けたり、あるいは手を繋いで狭くて賑やかな通りを歩いたりすることを望んでいた。橋本楓を何年も待った後、もうそのような機会はないだろうと思っていた。青春が遠ざかっていく中で、一度逃したものは、もうあの頃の味わいを取り戻せないと思っていたから。

しかし、思いがけないことに、まだ老いていない時間の中で、このような温かく素晴らしい瞬間を持つことができるとは。どう言えばいいのだろう、大切にして、味わうべき時間だ。

柔らかい芝生の上を走り、テニスをし、はしゃぐ……

手を繋いで狭くて賑やかな通りを歩き、人生を語り合う……

馬に乗って草原を駆け抜け、夕日が静かに沈むのを見送る……

これらすべてが、あまりにも素晴らしくて現実とは思えないほどだった。

数日があっという間に過ぎた。この数日間、彼らは当初の計画を放棄し、いくつもの町を駆け足で回るようなことはせず、この小さな町に静かに滞在して、周辺の観光スポットをじっくりと巡った。