第458章 結婚式(六)

藤崎輝がこう言うと、二人はすぐに黙り込み、お互いに視線を交わし、何となく理解したような、しないような表情を浮かべた……

須藤旭の心は密かに震えていた——

本当にそんなに珍しいことなのだろうか?

なぜか、彼は今、自分の恋愛に少し期待を抱いていた。ただ、彼、須藤旭は本当に出会えるのだろうか?

真の愛というものは、多くの人にとって、出会えても求めることはできないもの。彼、須藤旭でさえ、軽々しく触れることはできない。しかし、今や藤崎輝のようなやつでさえ出会えるのなら、彼と渡辺薫も、きっと出会えるはずだろう?

彼らもみな良い人だ。いや、良い男だった!

「そういえば、輝、君の義父と義母が来られなかったって聞いたけど……奥さんにはどう説明したの?」

渡辺薫が突然このことを思い出した。今朝も真が密かに焦っているのを見かけ、何とか連絡を取ろうとしていたが、彼らからの返事はなく、向こうで何か問題が起きているのかもわからず、星野夏子に直接伝えることもできずにいた。

この言葉を聞いて、藤崎輝もわずかに動きを止め、それからふと携帯電話をしまった。

「彼らも夏子を大切に思っていると信じている。もし彼らが私たちに後悔のない完璧な結婚式を望むなら」

そう淡々と言い残すと、それ以上は何も言わなかった。

そのとき、車はゆっくりと目的地の駐車場に入っていった。

結婚式の儀式は、この静かで美しい小さな町の海辺にある大聖堂で行われる予定だった。それは非常に古い聖堂で、何百年もの間、海辺にそびえ立ち、風雨や時の流れを経て、数え切れないほどの喜びと幸せを見守ってきた。

大聖堂へ続く道は、小さな町を通る古い通りで、西通りと呼ばれていた。西通りの両側には非常に特徴的な建物が立ち並び、まっすぐ前方に伸びていた。夕暮れ時には、通りの入り口に立つと、通りの終わりに湖面に映る陽光を見ることができ、特に沈みゆく夕日の時には、通り全体が柔らかな金色の光に包まれ、まるで太古の記憶の中の古い通りのように、数え切れないほどの喜びと笑い声を運んでいるように見えた。

これはこの小さな町の非常に有名な観光スポットでもあり、地元の人々はそれを「黄昏の希望」と呼んでいた。

夕日、残照、聖堂、海、古い町、長い通り……

夕日の残照を踏みながら帰るこの光景は、間違いなく帰属感に満ちていた。