第457章 結婚式(五)

星野夏子も手を伸ばして須藤菜々を抱きしめ、軽く息を吸い込んでから、しばらくして須藤菜々の肩をそっと叩き、笑いながら言った。「何かを急いでするわけでもないのに、なんでそんなに悲しそうなの?どんなことがあっても、私たちの友情はきっと永遠よ。これからも何も変わらないわ」

「菜々、もういいじゃない、大げさね。夫と友達は両立できるわ。私の兄はとても理解があるから、結婚後も義姉の自由を制限していないでしょう。これからも会いたくなったら、いつでも誘えばいいじゃない。みんなで楽しく過ごせばいいのよ」と藤崎凌子も笑いながら須藤菜々の肩を叩いた。

須藤菜々はようやく鼻をすすり、顔を上げて星野夏子を見た。「約束よ。あなたの心の中で一番や二番を占めてほしいとは言わないけど、少なくとも菜々があなたの親友だということを忘れないでね。辛いことがあったら、つらい思いをしたら、いつでもここに来てね!でも、藤崎若旦那はそんなことにはならないようにしてくれるでしょうね?」

星野夏子は薄い唇を軽く結び、静かに頷いた。

これで須藤菜々はようやく彼女を離し、喜びのあまり流れた涙を拭った。

「さあ、時間だわ。ベールは?ベールをつけて、早く...」

このとき、みんなはまた忙しく動き始めた。

藤崎輝の花車が到着したとき、星野夏子もちょうど準備が整い、ブライズメイドたちも準備万端だった。

木村大輔と真がドアをノックした—

「奥様、おめでとうございます!花車が到着しました。花嫁様、早く乗ってください。みなさんがお待ちですよ!」

言葉が落ちると同時に、星野夏子は藤崎凌子と他の二人のブライズメイドに支えられながらゆっくりとドアを出た。

回廊の階段を降りると、暖かい陽光が降り注ぎ、遠くの地平線には青空と白い雲が広がっていた。空から吹いてくる風は柔らかく、少し涼しげで、清々しい香りを運び、耳には前方の噴水から流れる水の音が聞こえてきた...

豪華で温かみのある花車が噴水の前に停まり、後ろには護衛の車列が続いていた...

すべてが見た目にも、感じるにも、とても素晴らしく、現実とは思えないほど美しかった。

「乗りましょう、義姉さん。ここからはかなり遠いのよ!世界で一番美しい花嫁を、みんなが待っているわ!」