安藤心はめまいを感じ、体がふらつき、壁にもたれなければ倒れていたかもしれなかった。
今、彼女の頭の中は「ブーン」という音が鳴り響き、喉は何かに詰まったように、声を出すことができなかった。
しばらくして、藤堂辰也の声が電話から聞こえてきた。「安藤さん、私の話を聞いていますか?」
「……はい」安藤心は激しく鼓動する心臓を押さえながら、精一杯彼に尋ねた。「安藤若菜は私に会いたい理由を言いましたか?」
「彼女は言っていません。ただ、あなたに会いたいと言っただけです。明日時間がありますか?明日来てください。」
「……この二日間体調が悪くて、明後日でもいいですか?明後日行きます。」
「大丈夫です。では明後日来てください。」
安藤若菜が真実を話していないなら、彼女はもっと安心できた。