第321章 夫婦のようになってきた2

安藤若菜は思わず苦しみの涙を流した。誰かが彼女の涙を拭い、優しく尋ねた。「痛いの？」

そう、とても痛い、心がとても痛い。

彼女は廃人になってしまった。これは死ぬよりも深刻なことだった。

両足を失って、彼女に何ができるというのか？

安藤若菜はますます悲しく泣き続け、意識がもうろうとしている中でも、ほとんど息が絶えそうなほど泣いていた。

誰かが彼女の顔を強く叩き、低い声で目を開けるよう命じた。しかし彼女は目を開けたくなかった。現実に向き合いたくなかった。

「若菜、早く目を覚ませ！」力強い平手打ちが彼女の顔に落ち、彼女はようやく痛みで目を覚まし、不本意ながら重たい瞼を持ち上げた。

藤堂辰也の顔色は暗く、深い眼差しで彼女を見つめていた。

彼女が目を覚ましたのを見て、彼は怒りを抑えられなかった。「何を泣いているんだ！痛いのは当然だ。誰が起き上がれと言った？今のお前に起き上がれるわけがない。島村おばさんは仕事をきちんとせず、お前を見守れなかった。すでに彼女の一ヶ月分の給料を差し引いた。次にまた無茶をしたら、彼女を解雇する」