第334章 君を藤堂辰也に嫁がせるべきではなかった6

孔田承輝は目を伏せ、冷たく言った。「安藤明彦、ここまで来て、まだ認めないのか?認めなくても構わない、警察が調査するだろう。お前は逃げられない」

安藤明彦は突然立ち上がり、彼を指さして怒りに震えて叫んだ。「私には罪はない!人を殺したのはお前だ。お前の一方的な言い分以外に、私がお前に指示したという証拠があるのか!」

「いつかお前がすべてを私のせいにすると思っていた」孔田承輝は得意げに笑った。

「だから当時、私が去る時の会話を全部録音しておいた。テープは藤堂さんの手元にある。必要なら彼に再生してもらえばいい」

藤堂辰也はボディガードの一人に目配せし、ボディガードは用意していた古いテープレコーダーを取り出し、テープを入れた。

テープが回り始め、中から二人の男のざわざわとした会話が聞こえてきた。