第36章

そして、その古びた小さなテーブルには、いつものように、おばあさん自身が漬けた干し魚と一皿の青菜が置かれていた。

おばあさんがゆっくりと食べている横で、千雪は目を潤ませていた。この四年間、叔父は確かにおばあさんをきちんと世話していなかった。部屋には数え切れないほどの蚊や虫がいるのに、扇風機一つさえなかった。

「千雪、今夜が過ぎたら帰りなさい。ここには留まらないで」おばあさんは顔を上げ、震える声でそう言うと、激しく咳き込んだ。

千雪はすぐに立ち上がり、おばあさんの背中をさすった。彼女の顔色は老人と同じように青白かった。おばあさんは重病だった。冷酷な叔父は、彼女が毎月送ってきたお金をおばあさんの治療に使っていなかったのだ。

「おばあさん、一緒に行きましょう」おばあさんの手のひらに震える指で「行く」という字を書きながら、千雪は急いでおばあさんの荷物をまとめ始めた。自分のせいだ。おばあさんの病気を四年間も放っておいてしまった。今度こそ、どんなことがあっても、おばあさんをしっかり世話するつもりだった。

おばあさんは彼女の手をぐっと掴み、咳の合間に息を整えながら、かすかな声で言った。「馬鹿な千雪、おばあさんはここで十分幸せに暮らしているよ...ゴホッ...おばあさんはここで一生を過ごしてきたから、離れられないんだよ...」

「でも叔父さんは...」千雪の涙が頬を伝った。叔父はおばあさんの実の息子だ。子を知るは母に如かず。今でもおばあさんは、あの冷酷な叔父を手放せないでいる。

「千雪、おばあさんの言うことを聞きなさい。もうここには戻ってこないで、外で良い男を見つけて嫁ぎなさい...ゴホッ...そうすればおばあさんも安心だ...ゴホッ...」

「おばあさん、行きましょう!」おばあさんの言葉を聞きながら、千雪はますます心が痛んだ。彼女はこっそりと目頭の涙をぬぐい、おばあさんの制止を振り切って、荷物をまとめ続けた。

「千雪...」おばあさんは少し困ったように言った。

「やぁ、何してるの?まだ一晩も泊まってないのに、もう帰るつもり?」木下春杏は花柄のショートパンツに白いタンクトップ姿で、団扇を揺らしながら上機嫌で入ってきた。