第76章

これはずっと昔の恨みの話で、彼の父親の世代から語らなければならない。当時、父親は門閥相応の母親である松本秀子と結婚した後、二番目の妻として安藤采玉を迎えた。その頃、彼は父親の最初の子供で、継母が家に来たとき、彼は七歳だった。

翌年、継母は敏宣を産み、父親は非常に可愛がり、片時も離さなかった。冷遇された母親は当然怒り、父親の目を盗んで継母と敏宣を苦しめた。これらは、もちろん曖昧な印象でしかない。結局それは何年も前のことで、敏宣ももういない。

彼が覚えているのは、幼い頃の敏宣がとても賢く、いつも彼の後ろをついて回り、お兄ちゃんお兄ちゃんと呼び、彼にとても懐いていたことだ。継母の実家はとても貧しく、代々お茶農家で、お茶を売って生計を立てていた。だから母親のいじめに対して、継母は耐えるしか他に方法がなかった。