真夜中に寝室に突然現れた人影に、私はその場で心臓が飛び上がり、完全に目が覚めてしまった。
私は布団を抱えて急いでベッドから降りた。
気をつけなかったせいで、ベッドから転げ落ちてしまった。
「俺だ、怖がるな!」
聞き覚えのある声が響いた。
大きな手が私を受け止めた。
近くで見ると、私にもわかった。
その黒い影は他の誰でもなかった。
田中遠三だった。
彼は私をベッドの横のソファに座らせ、水のボトルを手渡した。
「さっき外を通りかかったら、君の悲鳴が聞こえたんだ。何かトラブルがあったのかと思って、様子を見に来たんだ」
私は一口水を飲み、ようやく心拍が落ち着いてきた。
「あ、たぶん悪夢を見ていたんだと思います!」
田中遠三は好奇心を持って私を見つめた。「何の夢を見たんだ?」