これらのネガティブなニュースの影響を受け、天藤会社の株価は再び下落し始めた。
しかし、この時私は冷静で、心の中ではすでに対策を考えていた。
午後、私はもう一度青木大学へ行った。
この日は、ちょうどファッションデザイン学科の卒業シーズンだった。
キャンパスに足を踏み入れると、青春の活力に満ちた大学生たちがあちこちにいるのが見えた。
今日が過ぎれば、彼らは皆社会に出ていくことになる。
卒業式のスピーチで、私は葉山夢愛の姿を見つけた。
彼女は壇上に立ち、意気揚々としていた。田中遠三が彼女を支えているため、彼女はすっかり成功者のように振る舞い、談笑していた。
しかし、私が今日会いに来たのは彼女ではなく、別の女の子だった。
人混みの中を半日ほど探したが、その子の姿は見つからず、心の中で少し落胆していた。ちょうど席を立って帰ろうとしたとき。
突然、質素な服装で、白いTシャツと青いジーンズを着た女の子が、急いで外から駆け込んできた。彼女は汗だくで、慌てた様子だった。
彼女が現れた瞬間、私の心はわずかに喜び、再び席に座った。
30分後、卒業式は無事に終了した。
解散後、多くの同級生たちが葉山夢愛を取り囲んだ。
「夢愛、あなたは今大きな会社で働いているって聞いたけど、私たちにも手を貸してくれない?インターンシップの機会でもいいから」
卒業したばかりの学生たちは皆、良い就職先を見つけたいと切望していた。
そして葉山夢愛の成功は、みんなが羨む的になっていたようだ。
「いいわよ!それは私に任せて、後でHRに話しておくわ、大したことないわ!」
葉山夢愛は今や高級ブランド品に身を包み、彼女の立場にはそぐわないものの、同級生たちの前で自慢するのが好きだった。
「私は今、臻一株式会社のゴールドデザイナーよ。言っておくけど、将来私がデザインした製品は、ファッション界の主流になるわ」
私は腕を組んで、遠くから静かに見ていた……
10分後、その質素な白い服を着た女の子が壇上から降りてきたとき、誤って葉山夢愛にぶつかった。
「ごめんなさい、夢愛、急いでいて、よく見ていなかったの!」
「及川雨子、わざとでしょ?」
「本当にそんなつもりはないわ、夢愛!時間に追われていただけよ!わざとぶつかるつもりはなかったの!」
「何を急いでいるの?」