第242章 上下に手を這わせる

温井雅子は田中心蘭の慈悲深そうな様子を見て、すぐに機会を捉えて言った。

「あなたは仏様に従ってこれほど長い間過ごしてきたのですから、本当に仏様を信じているなら、何とか田中遠三に刀を捨てて、その場で悟りを開くよう説得してください！」

田中心蘭はうなずいた。

「お二人はまず山を下りなさい。私が遠三に電話をかけるわ！安心して、私の仏様は慈悲深いから、あなたたちを守ってくれるわ。」

温井雅子がまだ何か言おうとしたが、私は手を伸ばして彼女を止め、そして首を横に振った。

そして田中心蘭にお礼を言い、温井雅子の手を引いて外に出た。

温井雅子はまだ少し納得がいかない様子で、

「あのおばあさんは長々とお経を唱えていたけど、私たちに合理的な答えを一つも与えてくれなかったわね！」

「彼女は田中遠三に電話をかけると言ったじゃない？」