賀川心は縁子を連れて遊園地で丸一日の午後を過ごし、夕方になってようやく出てきた。
出てきた時、縁子はすでに疲れて眠っていた。まだ2歳にもならない子供だから、そんなに体力があるわけではない。
深山義彦は自分のコートを脱ぎ、縁子をコートで包んだ。夜都は昼夜の温度差が大きく、今は冬だから、もうかなり寒くなっていた。
数人で一緒に駐車場まで歩いた。
賀川心は深山義彦から子供を受け取り、言った。「今日は縁子を連れてお城に泊まるわ。明日の夕方にあなたの家の運転手に迎えに来てもらって」
そう言うと、車のドアを開けて縁子をチャイルドシートに座らせた。
深山義彦は足を止めた。彼は少し目を細め、結局拒否しなかった。今日は彼もとても楽しかった。なぜなら彼はついに彼女と過ごす機会を得て、一緒に食事もしたからだ。