「着いたわよ~起きて」菅原萤子は助手席に座っている夏目芽依を叩き起こした。
「あ、なに?」
夏目芽依は眠そうな目をこすりながら、彼女を見た。
「あなたの家に着いたって言ってるの~」
夏目芽依は振り返り、車が昨夜見たあの真っ暗な別荘の前に停まっているのを見た。昼間は少しましだが、夜はやはり薄気味悪く、前日と変わらなかった。
「おかしいわね、明彦くんはまだ帰ってないのかしら?家の中に明かりが全然ないわ」菅原萤子は隣で不思議そうに言った。
夏目芽依は携帯を取り出して見た。「11時半?」
「うん、道が渋滞してて時間かかっちゃった」菅原萤子は照れくさそうに笑った。「それに私の運転技術も...あまり上手じゃないし」
最初は二人はアフタヌーンティーを食べた後すぐに帰るつもりだったが、その後菅原萤子はショッピングがまだ足りないと感じ、さらに夕食を食べ、映画も見た。映画館を出た時にはすでに9時を過ぎていた。