第14章 コントロールフリーク

夏目芽依はソファに強く投げ出された。

「どうやら私はお前を甘く見ていたようだな」羽柴明彦の怒りは不可解なほど突然で、ずっと収まらなかった。

「パーティーで勝手に動き回らず、私のそばにいろと言っただろう？」

夏目芽依は姿勢を正し、ドレスの上部をつかんで引っ張った。先ほど羽柴明彦が彼女を投げた力が強すぎて、下着がほとんど露出しそうになっていた。

「私は動き回ってなんかいないわ、ただテラスで風に当たっていただけよ」彼女は小声でつぶやいた。

「まだ言い訳をするのか？」

羽柴明彦は、自分がほとんどお金で「買った」妻が自分に反抗し始めるとは思ってもみなかった。

彼の様子を見て、夏目芽依は黙った。

「次からこんなことが起きないようにしろ」

「こんなこと？どんなこと？」

夏目芽依は彼の表情が不可解に思えた。夫として、彼はずっと自分の知らない人と話していて、会話の内容にも興味が持てなかったから、自分はただ横に行って何かすることを探しただけで、それだけでも十分居心地が悪かったのに、今や全て彼女一人の責任になっているなんて。