第58章 全面否定

夏目芽依は佐藤文太が自分に向かって歩いてくるのを見て、なぜか突然、良くない予感がした。

「君のデザインはクライアントに却下されたよ」

やはり、悪い知らせだった。

パソコンの画面に表示されているこのシンプルなウェブサイトの下層ページは、彼女が丸三日かけて作ったものだった。機能はそれほど複雑ではなかったが、クライアントはレイアウトと美的センスに高い要求を持っていた。明らかに、彼女はその要求を満たせなかった。

夏目芽依は下唇を噛み、「じゃあ...全体的に修正する必要があるの?」と尋ねた。

佐藤文太はため息をつき、椅子を引いて彼女の隣に座った。

「クライアントの言葉をそのまま聞きたいかい?」

夏目芽依はうなずいたが、彼の真剣な表情を見て、急に少し怖くなった。

「クライアントの反応によると、君が作ったウェブサイトのロジックには全く問題ないけど、レイアウトが単調すぎて、美的センスが足りないとのこと。デザイナーの交代を強く要求されて、ウェブサイトのデザインをやり直すことになった」