第123章 なんて偶然だろう

夏目芽依はのんびりと湯船につかり、浴槽から出て、鏡の前に立って自分の肌を注意深く観察した。

「ちっ…毛穴がまた大きくなってる。やっぱり一日中パソコンに向かってると美貌が損なわれるわね、はぁ〜」彼女は軽くため息をつき、顔をこすりながらシートマスクを取り出して顔に貼った。「これで見た目がずっとマシになったわ」

数年後、年齢を重ねるにつれてシワやシミ、くすみなどが全部出てくることを考えると、頭が痛くなった。どう考えても、スキンケアは怠れないのだ。

ネイルケア、ボディクリーム塗り、洗顔、スキンケア…あっという間に30分が過ぎていた。

「片桐さん、やはり私が上に行って奥様にお伝えしましょうか?」鈴木ママは再び立ち上がった。このままお客様を待たせるのは心苦しかった。

「いいえ、あなたはお仕事を続けてください。私は暇ですから」片桐恭平はテーブルの上のお茶を一口飲んだ。「そういえば、この前作ってくれたフルーツティー、とても美味しかったです。ありがとう」