第209章 検査が来た

「ふん~ふん~」真夜中、羽柴明彦は物音で目を覚まし、横を向くと、隣で夏目芽依がぐっすりと眠り、小さないびきをかいていた。

「女性もいびきをかくのか…」彼は呟き、足を伸ばして彼女を軽く蹴った。

おそらく疲れていたのだろう、夏目芽依は動かず、目も覚めず、むしろ腕を彼の顔に投げかけ、ちょうど彼の頭の赤く腫れた部分に当たった。

「痛っ~」羽柴明彦はすぐに体を起こし、自分がベッドの端に追いやられていることに気づいた。少し動けば落ちてしまうほどだった。

彼は普段、寝相がいい方で、時には夜に横になった姿勢のまま朝を迎えることもあった。しかし夏目芽依が引っ越してきてからというもの、このベッドはもはや彼のものではなくなったようだった。場所を確保するのも難しく、この女性は寝るときにゴロゴロ動くだけでなく、必ずベッドの真ん中に寝そべり、自分の布団は使わずに床に投げ捨て、彼の布団を奪おうとする。どこでそんな悪い癖をつけたのだろうか。