第166章 日を選ぶより日にぶつかる方がいい

「カレン妹が帰ってきたなんて大事なことを前もって私に言わないなんて、よく隠し通したわね。人を迎える機会さえくれないなんて」羽柴明彦は不満げな口調で、金田直樹を見つめた。

金田直樹は困った顔で両手を広げた。「これは私のせいじゃないよ」

「お兄さんを責めないでよ〜私も先週来たばかりで、この数日は家で時差ボケを直していたの。一昨日になってやっと兄に会社に連れて行ってもらって入社手続きをしたところなの」カレンは笑いながら言った。「実は私が兄に私が帰ってきたことを誰にも言わないでって頼んだの。時差ボケが治らなくて、昼間はずっと寝ていたから、友達に会う余裕がなかったの。夜元気になっても、皆さんの休息を邪魔するわけにはいかなかったし」

「前回会ったときは、君はこれくらいの大きさだったのに」羽柴明彦は手で身長を示しながら言った。「数年会わないうちに、すっかり大人の女性になって、道で会っても絶対に気づかなかっただろうね」