金田直樹はすぐに二人の記者を連れて佐藤文太のオフィスに入った。
「芽依、本当に辞めるの?」夏目芽依が自分の席に戻って書類やその他のオフィス用品を整理しているのを見て、金田凛香は急いで駆け寄り、慰めた。「さっきの金田社長の言葉は、後ろについてきたあの記者たちに聞かせるためだけだったはずよ。数日経って騒ぎが収まれば、きっとまた戻ってこられるわ。あなたは何も悪いことしてないんだから、きっと公正な判断をしてくれるわ」
「はっ〜何を夢見てるの。著作権の無断販売なんて汚点は一生消えないわよ。お金と権力があって独立でもしない限り、どの会社がこんな人を雇いたいと思うの?トラブルを招くのが怖くて」周りの同僚たちは白い目を向けた。「夏目芽依は有名なデザイナーでもないし、こんな事に関わったら、もうこの業界では生きていけないわ。さっさと別の仕事を探したほうがいいわよ。誰も知らないところに行けば、まだ生きる道があるかもしれないけど」