第261章 すべてはあなたのもの

「いとこはあまりにも不誠実だわ。この数日間、毎日会社に人を送って工事プロジェクトのことを尋ねさせたのに、いつも言い逃れされて帰ってくるの。顔を合わせることさえ嫌がるなんて、彼が何を考えているのか本当に分からないわ」昼休みの時間に、羽柴美波は林田希凛と一緒に食事に出かけた。二人は香港スタイルのレストランに来て、彼女はミルクティーをかき混ぜながら不満を漏らした。

「彼は最近特に忙しいんじゃないかしら。私も彼にはあまり会えていないわ」

羽柴美波は口をとがらせた。「今はプロジェクトは他の人がやっているのに、彼は会社を管理するだけで、何が忙しいっていうの」

「どうして忙しくないことがあるの？明彦くんと片桐恭平が共同開発している商業プロジェクトも最近大きな問題に直面していると聞いたわ。おそらくそれを処理しているんじゃないかしら」林田希凛はすぐに羽柴明彦のために弁解した。